自分の家を建てる前に、すでに家を建てていた友人たちの新築ツアーをし、家を建てる際の話やアドバイスを元にし、自分なりの設計図とデザインは頭の中に出来上がっていた。もちろんお洒落を追求しつつも、なるべく低い予算で済ませられるよう、材料を自分で仕入れたり、不動産屋ではなく知り合いの大工さんに直接施工をお願いしたりと、努力してきたつもりだ。
初めて自分たちの城の鍵を渡された日、私は不覚にも涙が出そうになってしまった。紆余屈折の末にやっと完成したという達成感、一生住める家を手に入れたという安堵感、そしてもう二度と同じ経験をすることはできないのだと言う虚脱感、その様々な感情がごちゃ混ぜになったんだと思う。そのせいか引っ越しの荷物が片付いて落ち着いてしまうと、私はしばらく放心状態になって動けなくなってしまったのだった。
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でもやっぱり友人を家に招いて、家のことを褒められるとまた活力が湧いてくるようになった。もっとあそこをこうした方がいいんじゃないか、ここにこれを置いたらいいんじゃないか、そんな風に過ごしているうちに、家というのはいつまでも完成することはないのだな、と思った。
だけどそんな完璧な私の家、一つだけ不満があった。それはトイレだ。住み始めてすぐ、水の流れが悪くなってしまったのである。それでも少量ずつ流せば何とか流れていたので、そのままにしておいたのが間違いだった。ある日とうとうトイレが詰まってしまったのだ。私はどうしていいかわからず、とにかくこの溜まった水を流さなくてはと、レバーを回してしまった。すると水がみるみるうちにトイレから溢れだしてしまったのだ。選びに選んだ壁紙も、一生懸命貼ったウォールステッカーも、床にあったかわいい麻籠も、全て台無しである。私の家のお洒落なトイレが見るも無残になった、水漏れの恐ろしさを痛感したのだった。